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「コーヒー豆の生産量のランキングが知りたい! 」
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「コーヒー消費国1位のアメリカってコーヒー豆を生産しているの? 」
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「 コーヒー豆の生産量が多い地域が中南米、アフリカに集中してるのはどうして?」
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こんな疑問を解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する「コーヒー豆生産量ランキング」を知ったら、コーヒーがより好きになること間違いなしですよ!雑談のネタにもぴったりです♪
なぜなら私も生産国のランキングやその国々で行われているコーヒー豆の栽培の背景を知って、もっとコーヒーを大切に味わいたいと思ったからです。
記事前半では【コーヒーが多く栽培されている地帯】について、後半では【コーヒー主要生産国ランキング】について解説するので、ぜひ読み進めていってくださいね!
目次
コーヒー豆はどこから来ているのか?
あなたは普段コーヒーを飲むときに原産国をチェックしていますか?
コーヒ=ブラジルといったイメージを持つ人もいるかもしれません。(以前の私がそうでした)
コーヒー愛好家ならご存じかと思いますが、コーヒーは主にブラジルをはじめとした南米やエチオピアなどのアフリカの国々、そして一部のアジア太平洋地域で多く栽培されています。
前提として、コーヒーを栽培するには適切な気候や土地柄である必要があります。
例えば雪が降って寒い北海道で、南国フルーツのマンゴーとかパイナップルを育てたりしないですよね。
このようにコーヒーもコーヒーチェリー(下の画像)という赤く熟した果実の種子からなる立派な農作物なので、それに適した地方で多く栽培されているんです。 この地方一帯を「コーヒーベルト」といいます。 次に詳しくご紹介します!
赤く熟したコーヒーチェリー
コーヒーベルトについて
コーヒーは主に赤道を挟んだ北緯25度と南緯25度の間の熱帯地方で栽培されています。この地帯は、コーヒー栽培に適していることからコーヒーベルトと呼ばれています。 引用元:堀口俊英(2009)『珈琲のすべてがわかる事典』ナツメ社(20ページ)
このように定義されています。地図にするとこんな感じ!
同じコーヒーベルト地帯でも国によって栽培環境が異なることから、異なる品種のコーヒー豆を栽培しています。
コーヒー豆は、大きく分けてエチオピアが原産のアラビカ種とコンゴが原産のロブスタ種があります。
ロブスタ種→病気に強く、低地でも栽培できる。主に缶コーヒーやインスタントコーヒー用。
アラビカ種→病気に弱く、高温多湿が苦手。土壌も良くないと栽培するのが難しい。熱帯の中でも比較的涼しい高地で栽培される。
ストレート、ブレンド両方OK!
コーヒーは高地で栽培されるほど、昼夜の気温差が生じるため品質が良いとされています。 (豆の実が締まり味が凝縮されます)
ブルーマウンテンやキリマンジャロも、その代表例だと思います。 中には高地栽培されたコーヒー豆だけを買い付けるコーヒー専門店もあるほどです。
こんなプチ情報を参考に、皆さんもランキングを考えてみてください! 私的に2位の国は予想外でした。 では、ランキングスタート♪
世界のコーヒー豆生産量ランキング【TOP10!】
早速ランキングを見ていきましょう!ここでは、トップ10とその国の簡単な特徴をご紹介します。
出典:Food and Agriculture Organization of the United Nations https://www.fao.org/faostat/en/#rankings/countries_by_commodity
1位 ブラジル(中南米)
生産量:3,700,231トン。
世界の約30%ものシェアを誇っているブラジル。 ブラジルと言えばサントスNo.2が有名ですね。
他の中南米の豆に比べると厚さは薄目で小さめのものが多い印象を受けます。 浅煎り~中煎りで飲むのが一般的だと思います。
ちなみに私が初めて家で淹れて飲んだコーヒー豆もブラジル産で、 マイルドでコーヒー初心者でも楽しみやすい味わいだなと思いました。
当時はまだブラックで飲めなかったのでカフェオレにしていましたが、今ならブラックの方がブラジルの豆の「クセがなく飲みやすい」という良さを活かせたのに!と思ってます(笑)
これからブラジルの豆を初めて飲んでみようかなと考えている人は、まずブラックから飲んでみてくださいね! 当時飲んでいたコーヒー豆を簡単にご紹介します。
こちらは銀座パウリスタという老舗のカフェから販売されているロングセラーの「森のコーヒー」という商品です。
1番の魅力は、「バイヤーが無農薬栽培された契約農家からのみ買い付けている」という点ですね!
コーヒーの農薬使用量は綿花に次いで2位なんです。直接口にするものだからこそ、安心して飲みたい!という方に是非おすすめしたいです。
以前定期便で森のコーヒー+月替わりコーヒーが届くサービスを利用させていただいていました。
圧倒的な世界シェアを誇るブラジルですが、実はその生産量によってコーヒーの国際市場の価格が変動されているといっても過言ではありません。
残念なことに2021年7月の寒波、霜害がブラジルを直撃しました。コーヒーは気候変動に非常に弱い農作物です。
ロイター通信によると、
「ブラジル食糧供給公社は、最大20万ヘクタール、アラビカ種の生産地の11パーセントが被害を受けたと推測している」
引用元:Brazil coffee producers hurt by frosts could get government credit https://www.reuters.com/article/us-brazil-coffee-frost-idUSKBN2F42R6
と報道しました。
これが国際的なコーヒー相場にダイレクトに響いたことで、現在もなおコーヒー相場は高騰し続けており、多くのコーヒー店は困難に直面しています。一部では値上げを余儀なくされたお店もあるほどです。
コーヒー価格の高騰は今回初めて発生したわけではなく、過去数回にわたって引き起こされてきました。ブラジルのコーヒー不作によって価格が高騰したと知れば、他の生産国にとってはチャンスですよね? その恩恵を受けたのが次にご紹介する2位の国なのです…。
2位 ベトナム(アジア)
生産量:1,763,476トン
アジアNo.1はベトナム!
なんでベトナム?と驚いた人も多いでしょう。私もその一人です。
ベトナムは先ほど述べたコーヒー価格高騰時に、病気に強いロブスタ種の大量生産に成功しています。(ベトナムでは南米、アフリカ諸国に比べても低地であることが多いため、低地でも栽培可能なロブスタ種が主流)
ロブスタ種は最初に述べたように特有の風味があるといわれていますが、ブラジルやほかの生産国で一般的に栽培されているアラビカ種よりも低価格で売ることができるという強みがあります。しかも病気に強く低コストで大量生産ができる。メリットだらけですよね。
普段は缶コーヒーなどのブレンドに用いられることが多いため、見かける機会は多くないかもしれません。 私自身も、先日行ったコーヒー豆専門店で初めてベトナム産ロブスタ種のコーヒー豆が量り売りされているのを見ました。100グラム400円台で同じお店の他の生産国に比べて200円以上も安くて驚きました。本当に破格の安さ。
ベトナム現地ではコンデンスミルクなどを混ぜて飲むのが一般的と聞いたことがあるので、次見かけたときはチャレンジしてみます!
3位 コロンビア(中南米)
生産量:833,400トン
中南米No.2はコロンビア!
コロンビアは国土の半分ほどが山岳高地地域であり、昼夜の寒暖差、雨量からもコーヒーの栽培に適しています。
コロンビアの豆は大粒で厚みのあるボディが特徴的ですよね。 香りも豊かでコク深い味わいが個人的に好きです。
豆の状態をよく見てみると虫食いやカビの生えた豆などから成る欠点豆(コーヒーの雑味の原因になるもの)と呼ばれる豆の混入率が低いという印象を受けます。 つまり高品質なんですね!
これは、1927年に設立された民間の組織であるFNCコロンビアコーヒー生産者連合会が共通目的として
「高品質なコーヒーの安定した生産や、生産者のより良い暮らしを実現し、コロンビアコーヒーが世界一リッチなコーヒーとして認知されること」を掲げており、56万人ものコロンビアのコーヒー生産者を代表する機関があることも品質の良さの理由の一つだと思います。
FNCコロンビアコーヒー生産者連合会についてはこちら→FNC コロンビアコーヒー生産者連合会 (cafedecolombia.jp)
コロンビアと聞けば内戦やゲリラのイメージもありますよね。それらによる貧困と飢餓に苦しめられた農家も多く、結果としてコーヒー農家として生活することができず、農園を放棄する人々もいたようです。
これについての関連記事はSDGsとコーヒーという題目で後日ご紹介します。
4位 インドネシア(アジア)
生産量:773,409トン
アジアNo.2はインドネシア!
最近知りましたが、人口が約2憶7,000人で面積は日本の約5倍もあるんですね。 スマトラ島、ジャワ島と多くの島で構成されています。
生産量の大半はロブスタ種でアラビカ種も少量ではありますが生産されています。 コーヒーの銘柄も島の数同様に多様性がありますが、みなさんはインドネシアで好きな銘柄はありますか?
一番有名なのはマンデリンでしょうか。スマトラ島(北部)で生産されています。
深煎りされたものを最初に飲んだ時、あの深みのある苦味からミルクを足して飲んだらすごくおいしかったのを覚えています。豆の良さをミルクが引き出してくれる感じ。 苦みが苦手な人はミルクを足すと楽しめると思います。
最近のイチオシはトラジャ!スラウェシ島でしか採れない豆として有名です。
私自身は、今年のキーコーヒーの福袋にトラジャがたくさん入っていたのでそこで初めて飲みましたが、すごく上品なコクと少しだけ苦みのある味わいで最近は毎日飲んでいます。香りもいいので優雅な気分に浸ることができますよ!
また、飲んだことはありませんがジャコウネコの糞から採取されるコピ・ルアクも最高級品として一部では人気です。ジャコウネコの体内でコーヒー豆が発酵されることによる独特の風味が特徴とされています。
しかしその多くが野生のジャコウネコを捕獲し、檻に閉じ込めて人工的に採取する方式を取っていることから賛否が分かれるところではあります。
5位 エチオピア(アフリカ)
生産量:584,790トン
アフリカNo.1はエチオピアです!
エチオピアは自生のコーヒーノキがあることでも知られています。そのためコーヒーの歴史も他の生産国よりも長いです。
また、コーヒー生産国でありながらコーヒー消費国でもあるため、コーヒーを抽出する時の独自の作法があったりします。
エチオピアで有名なものと言えばイルガチェフ産でしょうか。コロンビアやほかの中南米にありがちなどっしりとした深みのあるコクや苦みというよりは、フルーティーでさわやかな酸味が特徴です。 また、品質も良いので欠点豆の数も少なめです。
エチオピアは300グラム当たりの欠点豆の数で等級を分けるという品質基準を採用しています。 最上級のG1だと300グラム当たりの欠点豆の数は0~3!!! 普段ハンドピックする人ならわかると思いますが、驚異的なレベルですよね。
ちなみに前にYouTubeでエチオピアのコーヒー農園での動画を見ましたが、歌を歌いながらコーヒー豆を水洗・乾燥していたり、農家一体となって楽しく栽培されていたことが印象に残っています。
6位 ペルー(中南米)
生産量:376,725トン
第6位はペルー!
世界遺産で有名な観光地として知られるペルーは、意外にもコーヒーの栽培が盛んなんですね。 主要な観光地である古代遺跡のマチュピチュも高地にあります。よって、コーヒー栽培に適しているといえますね!よくネットでコーヒー豆を調べていると、「天空の○○コーヒー」などペルー独特の名前で販売されているのを見かけます。
ところで、ペルーでは国を挙げて無農薬栽培に取り組んでいることはご存じですか?
1位のブラジルはじめ近隣の中南米諸国はコーヒー栽培が盛んなこともあり、差別化を図るための取り組みなんだそうです。
コーヒーはさび病など一度発生したら壊滅的被害を被ることから、無農薬でコーヒー栽培するのはリスクも伴います。
そこで国からの支援で多くのペルーのコーヒー農家が無農薬栽培に成功し、有機栽培の認証を受けています。
日本では国内で最も厳しいとされる有機JAS認証をクリアしたコーヒー豆も多く販売されているので、コーヒー豆専門店ではそこに注目してみるのもおすすめですよ! コーヒーは農薬使用量が多い農産物なので、安心してコーヒーを飲みたい!という人はペルー産あるいは有機認証されたものを選ぶとより楽しめるでしょう。
7位 ホンジュラス(中南米)
生産量:364,552トン
第7位はホンジュラス!
ホンジュラスと聞いてどんなイメージを持つでしょうか。「社会情勢が不安定で治安が悪そう。」といった感じでしょうか。
実際にギャングや麻薬で商売をする運び屋も多くいるのが現状です。
そんな中、主要産業はコーヒーなんです。
3位のコロンビア同様、国土の多くが熱帯の山岳高地というまさに!コーヒーの栽培に適していて、本当に恵まれた環境なんですね。
過去にはさび病で数十万人もの失職者を出すほどのコーヒーの不作に苦しみましたが、政府の後押しで現在は多くのスペシャルティコーヒーを輩出する産出国になりました。
8位 インド(アジア)
生産量:298,000トン
第8位はインド!
人口第2位を誇るインドが第8位になりました。 個人的にはインドといえばカレー!というイメージですがコーヒーの生産国なんですね。
地図的に見るとコーヒーベルトに面しており、インド南部でコーヒーの栽培がおこなわれています。
インドのコーヒー農園を調べてみると、機械に頼らずに丁寧に手で栽培されています。
また、化学肥料や農薬を使わないのはもちろん、自然の豊かなエネルギーとリズムに合わせた栽培をおこなうバイオダイナミック・オーガニック農法を取り入れている農園もあるのが興味深いですね!
安心安全なインドコーヒーがもっと日本に広まってほしいですね! 個人的にもコーヒー豆専門店で探してみたいと思います。
インドのコーヒー農園の様子
9位 ウガンダ(アフリカ)
生産量:290,668トン
第9位はウガンダ!
アフリカでNo.2の生産量を誇るウガンダ。ウガンダをはじめ近隣のアフリカ諸国について長く続いてきた内戦のイメージが大きいかもしれません。
そんなウガンダの主要農作物がコーヒー。見事にコーヒーベルトに面しています。 ウガンダのコーヒーは、ロブスタ種が主流です。
しかし近年ではアラビカ種の栽培にも力を入れており、生産量、品質共に向上しています。 ウガンダにはUCDA(Uganda Coffee Development Authority)という機関があり、品質管理支援や消費国との公正な取引(フェアトレード)を管理する役割がある、歴史ある組織です。UCDA→Uganda Coffee Development Authority
10位 グアテマラ(中南米)
生産量:225,000トン
第10位はグアテマラ!
個人的に「コーヒー好きはグアテマラ産が好き」という勝手なイメージを抱いていたグアテマラが10位に輝きました!
グアテマラも広大な山脈地帯に囲まれた、コーヒー栽培に恵まれた国土です。
よって、等級の基準も標高によって判断されています。
豆の特徴としては、コロンビアのような大粒で厚みのあるボディの豆が多い印象を受けます。 濃厚な香りとコクの深さが個人的に好きです。
ミルクを入れても上質な味わいが楽しめると思います!
私はチョコレートとの相性が抜群だと思っているので、グアテマラコーヒー×チョコレートの組み合わせ、是非お試しください!
まとめ コーヒーはたくさんの国で生産されている!
あなたの推しのコーヒー産地はランクインしていましたか?
このように高い山脈や火山灰がもたらすミネラルに恵まれた国土を持つ産地もあれば、中低地でも美味しいコーヒーを栽培されている産地の農園も多くあります。
等級の付け方も国によって異なるのも面白いですよね!
そのため品質が特に優れた国とそうでない国(品質のいい豆と悪い豆の差が激しいなど)ができてしまうのも事実です。
ペルーのように国を挙げて品質の向上に取り組んでいる国は良い豆が流通してくる可能性が高そうですね。
また、生豆の段階で丁寧にハンドピックしている産地は当然欠点豆も少なく高品質ですが、その分の人件費も発生するため価格も高くなる傾向にあるかと思います。
実際に自分で生豆や焙煎された豆をハンドピックしてみると、その産地あるいはコーヒー会社や小売店の「質」を見極めることができると思います。
私個人で言うと、【コーヒー豆専門店の場合】
①原産国はもちろん地域や農園名(できれば農家の写真もあると尚good)まで書かれているか?
②値段が極端に安すぎないか?(フェアトレードではない可能性があるため)
③お店の人の知識は十分か?(売っているコーヒー豆について熟知していて確実に説明できるお店から安心して買いたいですよね。)
などは最低限見ています。それに加えて有機JAS認証があるとより安心できます。
ネットで調べる場合も基本は同様です。産地はもちろん農園名、(輸送方法)、収穫年、そのほかに農園名がわかる場合はその農園について徹底的に調べます。 どんな環境で栽培されているか?そこに携わる人たちは幸せそうか?栽培しているコーヒーを熟知し、こだわりをもっているか?妥当な賃金で人を雇っているか?などなど…。
コーヒー豆が栽培される背景を知れば知るほど、コーヒーを飲むときに感謝して心から満たされることができるんです。
今回は簡単なランキング形式でご紹介しましたが、ランキング外の生産国にも多くの魅力があります。
日本人が大好きなブルマンでおなじみのジャマイカ、ハワイのコナ(アメリカ)もランキング外でしたよね。
今後番外編ということで私が個人的に注目している産地(特に台湾などのアジア)について熱く語りたいと思っています! 最後まで読んでいただきありがとうございました☆ 番外編もお楽しみに。