こんな疑問を解決できる記事を用意しました! この記事で紹介する【台湾コーヒーの魅力】を知ったら、すぐにでも台湾コーヒーを飲んでみたくなること間違いなしです!
私自身も台湾コーヒーの存在を知ってすぐにフェイスブックの台湾コーヒー愛好家(所属人数6万人)のグループに入り、情報収集してコーヒー豆を現地の農家さんから個人輸入したからです笑
記事前半では【台湾とコーヒーの歴史】について、後半では【台湾コーヒーの特徴と主な生産地】について解説するので、ぜひ読み進めていってくださいね!
目次
台湾について
世界一の親日国として有名な台湾。 台湾コーヒーについて紹介する前に、簡単に台湾について理解を深めましょう!
日本統治時代の台湾コーヒー
台湾は日清戦争後の1895年から第二次世界大戦で日本が降伏する1945年まで、日本の統治下にありました。
日本が設置した台湾総督府では、雲林県、嘉義県、台湾東部などでコーヒー豆がテスト栽培が行われ、どんどん栽培面積を拡大していき、最高で967ヘクタールに達したそうです。そこには多くの日本のコーヒー会社や日本人移民も栽培に携わっていました。
そんなコーヒー豆は大正天皇、昭和天皇に献上されたこともあるんです。 そのためこの時は台湾コーヒーの黄金時代と呼ばれています。
衰退していく台湾コーヒー
そんな盛り上がりを見せていた台湾コーヒーでしたが、日本が第二次世界大戦に降伏した後、台湾は日本の統治下ではなくなり、多くの日本人が日本へ戻っていきました。
その結果、多くの農園が放棄状態に。 ここからどんどんコーヒー栽培は激減していきます。
さらに追い打ちをかけたのが1999年9月21日に台湾中部で発生した921地震の発生。
最大震度6を観測した地震で台湾コーヒーの主な生産地である台中や南投、嘉義などでは壊滅的な被害を受け、死者・行方不明者は4,800人以上。 コーヒーの木もなぎ倒され、深刻な被害を受けました。 そんな状況の中、一筋の光が射しかかろうとしていたのです。
台湾コーヒーの再生
数々の困難を経験して、「台湾コーヒーをもう一度飲みたい。復活させたい!」と考える台湾の人々も少なくありませんでした。
そこで、台湾の行政院農業委員会水俣局は地震による被害を受けた台湾中部雲林県で水や土の復興作業に着手しました。その後も各地方自治体と協力してコーヒー豆の栽培の再生に尽力していきます。 その結果、以前のようなコーヒー栽培が復興を遂げることになったのです。
現在の台湾コーヒー
現在では以前の栽培地域であった台湾中南部に限らず、台湾のほぼ全域にあたる18の市と県でコーヒー豆がさかんに栽培されています。
収穫量も年々向上しているんです!収穫量は約970トンと主要なコーヒー栽培国に比べると非常に少なく見えるかもしれませんが、台湾政府による台湾コーヒーのPRなどを通じて国際的にも知名度が高まってきているんですよ!
そんな台湾コーヒーの特徴をご紹介します!
台湾コーヒーの特徴3つ
独特な風味と味わい
台湾で栽培されている品種はアラビカ種です。 もっと細かく分けると、ティピカやSL34,ブルボン、一部の農園では近年人気のゲイシャ種の栽培に挑戦しています。
台湾のアラビカ種栽培では比較的低地な地帯(600~800m)もあれば他のコーヒー栽培国のように1000mを超える山岳地帯で栽培している農園もあります。
また、その農園のおすすめの焙煎度や豆の挽き方を忠実に守って飲むと、非常に個性が光る豆が多いです。 重厚なコクと香ばしさを持つものや、紅茶のように上品な酸味が特徴の豆など。
同じ品種でも農園によって気候が変わるのはもちろんですが、農園ごとに個性を出そうとしていることもポイントです!
高品質
台湾の人々は非常に勤勉で、それはコーヒーに対しても同様です。
実際にFacebookで台湾のコーヒー農家さんとお話しすると、よく収穫時の農園の様子を撮影した動画を送ってくれます。見てみると、機械に頼るのではなく完熟した豆を一粒一粒人の手で丁寧に摘んでいるのです。後の精選工程においても乾燥させる機械がない場合も少なくないため、天気の良い日に外で乾燥させている農園が多いです。もちろん雨の日は屋内に保管せざるを得ないので、天気には非常に敏感です。
私が取引しているコーヒー農家さんたちは農薬を使わず有機栽培しているため、除草剤も当然使わずに手で雑草を刈っています。 これだけ手間暇かけて作っているコーヒーは高品質なのはもちろん、農家さんも自分たちのコーヒーを誇りに思っています。
希少価値が高い
先ほど述べたように、人の手で丁寧に収穫され、手間暇かけたコーヒーを栽培しているため、当然ながら生産量にも限りがあります。
また、台湾のコーヒー農園はそのほとんどが小規模です。それゆえ希少価値も大変高いです。
国際的知名度のある農園を除けば、日本であまり目にすることはないでしょう。 なぜなら希少価値が高い=高コストになるから。安く大量に仕入れることは不可能だからです。
台湾国内でも同様のことが言えます。近年台北には数多くのカフェが立ち並んでいます。 しかし台湾産のコーヒを取り扱うお店は多くはありません。
以前、台湾中部でコーヒー焙煎店を営む台湾人のオーナーが、「台湾のコーヒー豆は高くて買えない。」と嘆いていました。
台北に住む彼氏からは「台湾コーヒーはよく知らないし飲んだこともない。空港でお土産用に販売されてるのは見たことあるけど。」と言われました。
たしかに台湾国内では台湾コーヒーは主に贈答用として売られている場合が多いです。または地産地消で都市部に出回らない場合も少なくありません。
せっかく素晴らしいコーヒー豆を栽培しているのに、その存在を知らない人が台湾でも多いんです。
希少価値が高いからこそ、手間暇かけて育てたからこそ値段もかかる。
ですが、本当にいい商品に見合った対価を払うことは生産者も幸せになれる。消費者である我々も美味しいコーヒーを頂けて幸せになれる。
素敵なことではありませんか!(これはコーヒーに限った話ではないと思います)
台湾での知名度、日本での知名度を上げるために私はこれからも発信を続けます。
主な生産地5つ
嘉義県
台湾南部に位置する嘉義県ですが、日本でも有名な阿里山高山茶の原産地である阿里山があります。
お茶のイメージが強いと思いますが、実はコーヒーが美味しい産地としても定評があります。
この地域では標高1200mほどで昼夜の温度差が激しく、豊かな土壌に恵まれています。 近年お茶の栽培と並行、または完全にコーヒー栽培に切り替えた農園が多いため今後の発展がますます期待されている地域なんです!
阿里山ではツォ族という原住民が暮らしていて、彼らもコーヒー栽培に携わっています。 コーヒーのパッケージにも原住民のイラストがプリントされたものもあるので他の産地とも差別化ができています。 ナッツ、紅茶、柑橘系のようなフレーバーが特徴です。
先日台北に住む彼氏の自宅に阿里山コーヒーのサンプルが届きましたが、 「今までにない香りだ…。うわ~…。すごいいい香り!!」と言って感動していました。
阿里山コーヒーは他の産地とは異なる独特のフレーバーがあるので癖になる人もいると思いますね。
阿里山の小さな農家さんから買付できたのでネットショップでお披露目する時は是非見に来てくださいね!
木谷コーヒー農園の完熟したティピカ種
南投県
南投も主要生産地の一つで、台湾で一番高い山である玉山の綺麗な水の恵みを受けた美味しいコーヒー豆が栽培されています。
玉山は標高3952mもあり、富士山を超える高さを誇ります。
そのため、この地域のコーヒー農園も海抜1000mほどの環境で生産されるので、ギュッと凝縮された豆のおいしさを楽しめますよ!
この地域からもコーヒー豆を買い付けていますのでお楽しみに♪高いカエデの木々の下で栽培されたコーヒー豆たちです。
森林局珈琲農園のアラビカ種
雲林県
お次は雲林県です。おそらく台湾人に一番馴染み深いのが雲林県の古坑コーヒーだと思います。
というのも、日本が台湾を統治していた大正、昭和初期には天皇に献上された歴史があるからです。
雲林県のコーヒー農園の中には、【日本統治時代に天皇に献上されたコーヒーを栽培しています】とサイトに書かれていることもあります。 逆に台湾のコーヒー愛好家がコーヒー農家さんに「これは日本統治時代の原生種ですか?」などと質問しているのをFacebookで見かけますね。
また、2020年には国際的なコーヒー豆品質機関である「コーヒー品質協会(CQI)」で雲林県産のコーヒーが89.25点という世界最高得点を獲得しました!もちろん高品質なコーヒーで有名なケニアやエチオピアという国々も参加しての結果です。
私はFacebook台湾のコーヒー愛好家グループ(コーヒー農家の方々も参加)に参加して積極的に各地方の農園の取り組みを見ていますが、雲林県の農家さんたちは特に連携が強く、第1班、第2班などと数軒の農家さんで1つのグループとして連帯を強めて切磋琢磨しているのが印象的です。
次回雲林県のコーヒー豆を買付する予定ですので、春頃には皆様にお披露目できると思います♪
台中市
先ほど述べた南投県よりも北側に位置する台中市でもコーヒー豆が多く栽培されています。
特に新社区は山林部で静かな田舎町です。コーヒー豆だけでなく野菜や果物の栽培も盛んにおこなわれていますよ!
今回買い付けた崑山地域のコーヒー農園は海抜520m~620mの丘陵地帯にあり、香ばしく重厚な風味が楽しめます。バランスがよく、万人受けする味わいだと思いますね。
新社醇香沅咖啡農場からの風景
屏東県
ラストは屏東県です!台湾最南端に位置する屏東県のコーヒーも多くの小農家によって栽培されています。
また、阿里山地域のように原住民が多く暮らしており、高品質なコーヒー栽培に携わっています。
そんな屏東県ではパイナップルの栽培も盛んです。中国からの輸入禁止措置を受けて日本でよく見かけるようになった台湾パインですが、その多くは屏東県産なんです!
そして最近ではカカオの栽培にも取り組んでおり、農作物の栽培に特に力を入れている地域なんです。
次回買付予定なのでコーヒー豆だけではなく、他の農作物についても農家さんから直接お話を伺おうと思います!
台湾コーヒーは高価だが飲む価値は間違いなくある!
いかがだったでしょうか。
最初に述べたように台湾ではほぼ全域でコーヒーが栽培されているため、今回紹介した地域がすべてではありません。
コーヒーに限らず、台湾茶や台湾パインなど、台湾産の製品は高いイメージがありませんか?
ですが高い経済発展による人件費の高騰や、機械に依存せず人の手で苦労して生産された商品だという背景を知ったら考え方も変わってくるのではないでしょうか。
私自身、コロナ禍になる前に2回台湾に行きましたが、とにかく皆とても親切に接してくれるんです。お店に入れば気さくに話しかけてくれます。 それはコロナ禍に入って彼氏の家族、親せきやコーヒー農園の方々とFacebookでやり取りする時も同じです。
だからこそ、台湾コーヒーと出会ってこの素晴らしさを日本に広めたいという一心で0から農家さんと関係を築いてきました。はやく皆様に素敵な台湾コーヒーを提供したいです。
ちなみに、買い付けるコーヒー豆はすべて無農薬栽培かつダイレクトトレード、そして生産者さんに価格を決めていただいているので公正な取引を心掛けております。
コーヒー以外にも台湾の魅力は数多くあるので別の記事でまた紹介できたらと思います! 最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪